むち打ち症と後遺障害

MRI画像

「むち打ち症」は、ラグビーや柔道など、対人接触のある激しいスポーツ、日常生活でのしりもちなどでも生じます。
しかし、「むち打ち症」の80%以上が、追突、衝突、急停車等という自動車事故で生じています。

こちらでは、「むち打ち症」の基礎知識と後遺障害等級認定について説明しています。

むち打ち症とは

「むち打ち症」とは、頸部に様々な症状が出現する疾患です。

人の頭部は、身体の上に不安定な状態で乗っています。
強い外からの衝撃で、むちを振り回すようなS字形の動きを強いられることで、「むち打ち症」の症状が出現します。

「むち打ち症」は,総称したもので、それぞれは、「頸部捻挫」「頸椎捻挫」「頸部挫傷」「外傷性頸部症候群」と呼ぶ傷病名で診断されます。

むち打ち症の症状

交通事故直後の症状(急性期)

首筋・背中・肩のこりや痛み、耳鳴り、頭痛、めまい、吐き気、食欲不振などの症状が出現する可能性があります。

これらの症状は、事故後ただちにより、2、3日後、またはそれ以上の期間が経過した後に、症状が現れる場合が多いようです。

事故後、早い時期の症状は、自然に治癒してゆき、一般的には長期化はせずに、1ヶ月ほどで治療が終了することが、ほとんどと言われています。

慢性化した場合の症状

事故後、「むち打ち症」の症状が続き、慢性化する場合もあります。

主な症状:首筋・背中・肩の痛み、頭痛、めまい
受傷のタイプによる症状
  • 頚椎捻挫型=肩が重い、首の筋肉の痛み
  • 自律神経障害型=肩こり、頭痛、吐き気、耳鳴り
  • 神経根損傷型=腕の強い痛み
  • 脊髄損傷型=手足のまひ

首の周囲に密集した自律神経機能傷害がでている場合は、バレ・リュー症候群と呼ばれます。

むち打ち症の診断

主な診断

「むち打ち症」は、X線、MRI などの画像による他覚的所見による診断が困難です。

自覚症状の問診と視診、触診によって診断されます。

検査方法

関節可動域測定
筋力測定
腱反射・病的反射テスト
知覚検査
神経学的検査(スパークリングテスト、ジャクソンテスト)

これらの検査によって、自覚症状をできる限り客観化することが出来ます。

交通事故の後遺障害等級認定において、ポイントとなる部分です。

むち打ち症での後遺障害等級認定

「むち打ち症」の場合、他覚的所見に乏しく、症状の多くが、自覚症状として被害者が訴えるのみという場合がおおくあります。
そのため、「詐病」ではないかと疑われやすく、損害賠償、後遺障害等級認定において、問題となります。

しかし、一定の症状があり、それによって日常生活に影響がでているのであれば、後遺障害等級が認められます。

自賠責法における後遺症等級

自賠責保険の後遺障害の基準等級

「医学的な証明」とは

「医学的な証明」とは、他覚的所見が存在することを意味しています。

12級が認定される場合

他覚的所見として、画像診断や神経学的所見などが認められる場合。

14級が認定される場合

受傷状況・症状・治療経過・臨床所見などから、現在の症状が交通事故を原因とする外傷として発生していると説明可能な場合。

後遺障害等級認定のポイント

「むち打ち症」の後遺障害等級認定において、問題となるのは、「詐病」ではないかと疑われやすいということです。

ポイントとなる点

12級:医学的な他覚的所見を、いかにして集め、認定申請の証明とするか・・・

14級:交通事故と症状との因果関係をいかにして示すか・・・
14級:交通事故によって日常生活に影響がでていることをいかに示すか・・・

行政書士 わたなべ法務事務所からのご提案

「むち打ち」は、後遺障害の中でも「目に見えにくい障害」です。
症状の裏付けは、他覚的所見に乏しく、数値的にも表されにくく、難しい部分があります。

また、保険会社は必ずしも協力的ではなく、医師も、後遺障害の認定実務に詳しくない場合もあります。

一般の方が、専門的知識もなく取組みますと、提出する書類の精査もせずに、ただ症状を訴えるだけとなって、後遺障害等級が認定されない結果となってしまいます。

「非該当」となっても、異議申し立て手続きが認められています。
その際には、「非該当」の理由、訴えていく症状の精査、提出した立証資料の精査、新たな立証資料の検討などを行い、異議申し立てをする必要があります。

初回の後遺障害等級認定においても、異議申し立てにおいても、重要なことは、客観的な立証の積み重ねです。

後遺障害等級認定では、専門知識、認定実務経験、第三者としての客観的な目が、必要となってきます。

早い時期での、行政書士 わたなべ法務事務所へのご相談、ご依頼が、後遺障害等級認定のポイントと考えます。


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