交通事故発生から解決まで

追突

 

交通事故の発生から、損害賠償額を決定して、損害賠償を受けるまでの流れを説明しています。
示談が不成立な場合には、ADR機関の利用から、調停、訴訟へ移行することとなります。

交通事故解決までの流れ

 

交通事故発生から解決まで

 

交通事故の発生時

交通事故の発生時には、とにかく慌ててしまうものです。

「なぜ交通事故に・・・」と考えてしまうでしょうが、まずは自身の安全、そしてケガの確認をしましょう。
受傷した場合、無理に動かずにいましょう。

自動車の運転者であった場合は、道路交通法 第72条に定められている、負傷者の救護、道路の安全確保を行ってください。
また、自動車火災などに注意して、自己の身の安全を確保しましょう。

そして行うことは、以下のとおりです。

  • 警察への連絡
  • 保険会社への連絡
  • 相手方の確認(連絡先、保険会社、勤務先など)

まずは治療です

交通事故直後に救急車で運ばれるような状況でなかったとしても、できるだけ早く、病院へ行き診察を受けるようにしましょう。
交通事故直後は、興奮していて痛みを感じない場合もあります。必ず一度は、医師の診察を受けましょう。

病院へ行き始めた段階で、行政書士へご相談いただければ、治療費の問題休業損害の問題などについて、心配なく治療に専念できます。

完治した場合

治療が終わって、完治した場合は、損害賠償の金額を計算します。

保険会社から、損害賠償金の金額提示もありますが、その内容は、必ずしも適当とは言えません。
交通事故の損害賠償金額は、基準が存在しますので、ご自身でも計算して把握することを、お勧めします。

損害賠償の金額計算は、行政書士の得意な分野です。
保険会社からの提示額が妥当であるか検討するためにも、ぜひ、行政書士へご相談ください。

症状固定となった場合

症状固定というのは、簡単に言うと、「これ以上、治療をつづけても、症状が良くならない」状態です。
残念ながら、後遺障害が残ってしまったのです。

この場合は、まず後遺障害の程度を、認定してもらいます。
後遺障害の等級により、賠償金額が違ってきます。この認定後に、損害賠償金額損害賠償金額を計算します。

後遺障害等級認定は、後遺障害の内容、程度を、さまざまな書類で証明する必要があります。
行政書士は、書類の作成だけでなく、事故状況の調査、医師面談、医療調査などから、後遺障害等級認定がスムーズに行われるようにサポートします。

後遺障害等級認定では、認定に不服の場合、何度でも再審査を請求できます。
初めの後遺障害等級認定から、行政書士に依頼すれば、仮に再審査となっても、スムーズに対応が可能です。

示談できない場合

損害賠償金額に納得ができれば、支払いをうけ、「示談」となります。

損害賠償金額に納得ができない場合には、そのまま保険会社との交渉を続けなければなりませんが、ある程度の交渉の後には、ADR機関の利用を考えるべきです。

ADR機関の利用

ADR機関には、いくつかあります。
交通事故の内容によって、取扱いに違いがありますので、注意して相談をしましょう。

ADR機関での解決へのサポートは、ほとんどが書面によって行われます。
この際にも、提出する書類が重要になります。

これも、行政書士の得意分野です。

調停・訴訟

ADR機関を利用しても、解決がされない場合は、裁判所による調停、又は訴訟ということになります。

こちらの手続きは、直接には弁護士、司法書士の仕事となります。
しかし、これまで行政書士による書類作成のサポートを受けていれば、もう、裁判所へ提出する書類は、十分に準備が出来ているはずです。


交通事故の被害者となってしまった場合、初めての事で戸惑ってしまうことばかりです。
特に、損害賠償金額の妥当性は、最大の関心事でしょうが、専門的な知識なしでは、判断が出来ません。

交通事故後の、早い時期での専門家へのご相談で、解決への道のりを、確実にお進みください。


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弁護士案件という保険会社の対応

弁護士

「保険会社からの損害賠償額に不満がある」「後遺障害の等級認定に疑問がある」というのが、被害者となられた方からの主なご依頼です。
ご依頼者の方とのご相談により対応方針を決定し、解決へ向かって動き出しますが、案件の対応を始めますと、保険会社が「弁護士案件」としての対応を決定しているケースがあります。

この「弁護士案件」という保険会社の対応手法と、被害者となられた方が、保険会社との対応においてご注意いただきたい点を書かせていただきました。
ご参考になさって下さい。

弁護士案件ってなに・・・

人身事故の損害賠償請求は、一括請求という形で行われ、任意保険の保険会社が、加害者となった方の代理人として、対応の前面に立ち、被害者の方との示談交渉を行います。
一般的には、保険会社のサービスセンターや担当部署の社員が担当し、特に弁護士が関与してくることはありません。

しかし、案件の進行状況によっては、この代理人を、保険会社が弁護士に委託し、弁護士が代わってすべての対応を行うこととなる場合があります。

これが、「弁護士案件」を呼ばれるものです。

弁護士案件となるケースとは・・・

では、いったいどの様な場合に、弁護士案件となるのでしょうか・・・?

保険会社の望む示談

交通事故処理を業務として行なっている保険会社の立場から考えてみると、望まれる示談は、以下のように考えられます。

  • 時間をかけずに早期に解決する
  • 保険金額をできるだけ抑える
  • 複雑な対応が必要な状況を避ける

一人で、数多くの事故処理案件を受け持つこととなる、保険会社の社員にすれば、案件を難しくして、長い時間がかかってしまうことは、避けたいでしょう。

保険会社としても、自社のマンパワーを効率的に使いたいというのが、企業としてして当然の考え方です。

この様な事情から、ある時点で、保険会社が「困難な案件」と判断した案件を、弁護士案件として、保険会社の社員から弁護士へ、加害者の方の代理人を移動させて、その後の対応を弁護士に任せています。

「困難な案件」とは・・・

弁護士案件となる「困難な案件」とは、どういったものでしょうか・・・?

自動車事故による損害賠償の請求金額の算定には、自賠責基準、保険会社基準、弁護士基準という、3つの算定基準があり、算定自体が「困難」と考えられる案件は、そう、いくつも存在するとは考えられません

保険会社は、示談交渉を行なっているのですから、被害者の方の示談への同意が得られない案件が「困難な案件」と考えられます。

つまりは、被害者の同意が得られないケースが、「困難な案件」として弁護士案件とされているのです。

被害者の方の対応で弁護士案件となってしまう

交通事故のご依頼への対応をさせていただいてきた経験からお話させていただきますと、被害者の方の保険会社との直接の対応によって、弁護士案件とされてしまっていると思えます。

弁護士案件となってしまう被害者の方の態度

  • ケガをした被害者であるから、保護され、優遇されるのは当然である
  • 保険会社の対して、極度に高圧的な姿勢で望む
  • 示談の交渉であるのに、はじめから対立的な態度である

これらが全てではないでしょうが、保険会社が「厄介な被害者である」とか、「法外な主張を押し付けてくる」といった印象を持ち、治療の期間が長くなった場合に、弁護士案件とされるようです。

弁護士案件となることによるデメリット

  • 代理人が弁護士となることによる心理的な圧力
  • 対応に時間がかかるようになり、長期化する
  • 法律の専門家との対応テクニックが必要となってくる
  • 訴訟へと進む、覚悟と準備が必要となる場合も考えられる

弁護士案件となっているケースでは、とにかく長期化します。
弁護士とのやり取りでは、一回のやり取りに2ヶ月程かかってしまうこともよくあります。

早期の解決を望まれるのであれば、弁護士案件となることは避けたほうがよろしいでしょう。

交通事故の被害者となられたら・・・

被害者感情は、よく理解できます。
ケガをしてしまった責任は、加害者側に100%あると考えたい気持ちも、よく理解できます。

ですが、そういった感情を、保険会社と敵対するような態度で表現することは得策ではありません。

交通事故の損害賠償は、自賠責保険による被害者請求、任意保険によるさらなる補償と、そもそもが被害者保護に手厚く制度設計されています。
さらに、被害者の不満に対応する、異議申立てや仲裁のシステムも準備されています。

「ゴネ得」など、決してありませんから、保険会社への高圧的な態度や敵対する姿勢などは、控えたほうがよろしいと思います。

弁護士案件などといった対応をされて、無駄に時間がかかる事のないように、早期の解決を目指して対処なさって下さい。


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交通事故における3つの紛争処理機関

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交通事故の被害者となってしまって、いつまでも加害者や相手方保険会社と揉めたくはないですよね。
ケガを負ってしまった場合は、完治や症状固定までの治療のストレスも、相当なもののはずですから、その後の損害賠償金や示談の交渉は、しんどく感じるでしょう。

損害賠償金や示談の交渉が上手くいかない場合、金額や内容に納得がいかない場合でも、

「お金も時間もかかりすぎる裁判はしたくない」
「相手との交渉では解決しそうにない」
「中立的な専門家に話を聞いてもらって解決したい」
「信頼できる人に解決をお願いしたい」

そんな場合には、裁判所以外の紛争処理機関を利用することができます。

紛争処理機関

紛争処理機関は、ADR(Alternative* Dispute Resolution)と呼ばれる、「裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律」に規定されている「裁判外紛争解決手続」を行う機関です。

ADRは、様々な分野で行われています。
交通事故では、ここに紹介する3つの機関が、その役割を担っています。

どの機関も、弁護士を中心とする、中立、公正な立場の専門家が調停を行います。

費用は、原則的に無料です。

それぞれの機関で、取扱い業務等に違いがありますので、適切な機関を選択する必要があります。

一般財団法人 自賠責保険・共済紛争処理機構

平成14年4月1日に、自動車損害賠償保障法に基づく「指定紛争処理機関」として国土交通大臣及び金融庁長官の指定(自賠責法23条の5)を受けて設立された機関です。

一般財団法人 自賠責保険・共済紛争処理機構

自賠責保険、共済が判断した、過失割合に納得が出来ない場合

自賠責保険、共済が判断した、後遺障害等級認定に納得が出来ない場合

などに利用することなります。

対象とならない事案

  • 人身傷害補償型自動車保険・共済は対象外となります。

実施場所

東京、大阪

公益財団法人 交通事故紛争処理センター

昭和49年に発足し、昭和53年に、総理府(現在の内閣府)所管の「財団法人交通事故紛争処理センター」へと発展し、平成24年4月1日に、公益財団法人へと移行した、弁護士いよる紛争処理機関です。

公益財団法人 交通事故紛争処理センター

加害者が、任意自動車保険(共済)に加入していない場合は、保険会社の同意がなければ、紛争処理ができません。

現在では、自賠責保険(強制保険)と任意保険を契約することが、一般的でありますから、一番利用しやすい紛争処理機関と言えるかもしれません。

対象とならない事案

  • 自転車と歩行者、自転車と自転車の事故による損害賠償に関する紛争
  • 搭乗者傷害保険や人身傷害補償保険など、自分が契約している保険会社又は共済組合との保険金、共済金の支払いに関する紛争
  • 自賠責保険(共済)後遺障害の等級認定に関する紛争

実施場所

全国8支部:東京、札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、高松、福岡
2相談室:さいたま、金沢

そんぽADRセンター(損害保険相談・紛争解決サポートセンター)

保険業法に基づく指定紛争解決機関として、国の指定を受けた日本損害保険協会が、2010年10月から開始した損害保険に関する苦情・紛争解決機関のことです。

日本損害保険協会 – SONPO | お役立ち情報 - そんぽADRセンター

交通事故専門ではなく、損害保険全般に対する、相談、苦情対応、紛争処理を行う機関です。

  • 交通事故の補償に関する相談
  • 保険会社の対応に対する不満、苦情
  • 保険金の支払額に納得出来ない場合の紛争処理

実施場所

全国10センター:札幌、仙台、東京、金沢、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、那覇

紛争処理機関の利用

これらの紛争処理機関を利用するには、それぞれの機関の申立書(利用申込書)と、自己の主張を証明する資料の提出が必要となります。

効率的に、紛争処理機関を利用しての解決を図るには、事前準備として専門家へのご相談をお勧めします。

自転車ADR

神奈川県行政書士会では、行政書士ADRセンター神奈川にて、自転車事故の紛争処理ADR業務を取り扱っています。
自転車事故で、お困りの方はご利用ください。


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「治療費打ち切り」にビックリ!

CTスキャン交通事故に遭われた被害者の方、まずはケガを治療してそれまでの生活へ戻られることを考えますよね。

しかし、交通事故の発生からある一定の期間がすぎたところで・・・

「今月末で治療を中止としてください。来月以降は、治療費を支払いません。」
「今月末に症状固定にして、後遺障害診断書の提出をしてください。」

などと、加害者や保険会社から伝えられる場合があります。

「治療費打ち切り」です。

ビックリしてしまいますが、慌てることはありません。冷静に対応しましょう!!

 治療費打ち切りへの対処法

なぜ保険会社は「治療費打ち切り」を告げてくるのか・・・

通常の交通事故では、任意保険の損害保険会社が「一括請求」という保険金の請求方法によって、被害者となった方との交渉、支払いを行います。

損害保険会社も一企業です。
無駄な保険金(経費)は、支払わない方針であろうことは、想像ができます。

いつまでも無制限に、保険金が支払われる訳ではありません。

損害保険会社は、一般的に、頸椎捻挫は3ヵ月もすれば症状は治まることが多いと言われていることから、比較的軽いケガと判断した場合、3ヵ月程度で、「治療費打ち切り」を告げてきます。
治療の打ち切りとは、損害保険会社が「治療費を支払わない」と言ってきているだけで、治療を行ってはいけないということではありません。
治療を続けるか、続けないかは患者の自由です。

また、損害保険会社から、治療の打ち切りとともに、後遺障害の申請をするようにと伝えられたとしても、症状固定とする時期は強制されるものではありません。
損害保険会社は、加害者としてその治療費を負担するか、負担しないかという事を交渉しているに過ぎないのです。

治療が必要なことを証明すれば、治療費は認められ、支払われます。

「治療費打ち切り」どうしましょう・・・

「医師への確認をおこないましょう!」

「治療費打ち切り」の判断となる、症状固定の判断は、実際の治療に当たった医師の意見が重視されます。

まずは、治療を受けてきた医師に、自分の状態が「症状固定」に達しているのか否かを確認します。

医師が「症状固定」との判断であれば,「治療費打ち切り」となります。

しかし,医師が「まだ症状固定ではありません。」、「まだ、治療を続ける必要があります。」との判断であれば,医師の判断に基づいて、交渉が可能です。

損害保険会社との交渉

医師の意見を、加害者側との示談交渉や裁判等で争うときのために備え、診断書などの書面で残しておくようにして下さい。

これらの書面によって,加害者、損害保険会社へ治療が引き続き必要であることを伝えます。

損害保険会社は、被害者である貴方からの「同意書」を根拠に、医師からの「診断書」(自賠様式)を受け取り、治療の状況を確認する「医療調査」を行なっています。 この診断書、「医療調査」において、「症状固定は未了である。」または、「治療の継続が必要である。」と損害保険会社に対して表明してもらいます。

すでに、治療費の支払いが打ち切られてしまっている場合は、医師からの診断書を損害保険会社に送付して、交渉することとなります。

いずれにしても、医師の理解、協力が必要です。

交通事故の治療では、医師との間に強い信頼関係が必要となる場面が生じることが予想されるので、治療の当初から、医師と良い関係を築くように心がけるようにしましょう。

後遺障害等級認定を考慮した対処法

治療費を自己負担とし、後遺障害等級認定を求める

交通事故後3か月程での「治療費打ち切り」で、ケガの痛みが残り治療を継続したい方は、自己の負担を抑えるために、医師との相談の上、健康保険を使って引き続き治療を続けます

そして、後遺障害等級認定申請の可能性があれば、症状固定として、治療費と後遺障害の申請を合わせて自賠責に対して行います。

後遺障害等級認定申請の可能性がない場合は、最終的な加害者との示談の際に、治療費の支払い義務を交渉します。

治療内容の明確化のため、治療費の領収書、治療明細を保存しておく必要があります。

治療を継続し、後遺障害等級認定申請の可能性を判断することは、一般の方には難しいことです。 専門家へのご相談をお勧めします。

医師の症状固定の判断時に、後遺障害等級認定を求める

症状固定の判断時に、「痛みが残っている」、「傷跡が残っている」、「関節が動かなくなった」など、障害が残しまった場合には、後遺障害等級認定を申請します。

後遺障害等級が認定されれば、症状固定後は、後遺障害慰謝料、逸失利益として補償が受けられます。症状固定日のイメージ図

この場合に、医師とのご相談はもちろんですが、確実な後遺障害認定には、専門家へのご相談をお勧めします。

適切な治療打切り、適切な症状固定が求められ、難しい判断ですが、医師、専門家との連携を行なって対応していく必要があります。


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交通事故で揉めない示談書

交通事故に遭ってしまったら・・・
最終的な解決を「示談」とお考えの方、多いのではないでしょうか・・・

こちらのページでは、この「示談」の内容についてや、「示談書」の書き方、作り方についての注意点などを解説しています。

交通事故で揉めない「示談書」の書き方の紹介です!

交通事故交通事故での示談とは

交通事故を起こしてしまった加害者は、i以下の三つの責任を負わねばなりません。

  1. 行政上の責任
  2. 刑事責任
  3. 被害者に対する民事責任

このうちの「被害者に対する民事責任」、つまり、被害者が受けた損害賠償や慰謝料をいつ、いくら、どういった方法で支払うかを裁判によらないで加害者と被害者の当事者双方が歩み寄って、解決することを約す契約のことを「示談」といいます。

「示談」の効力

示談は、民事上の「和解」という契約(和解契約)となります。

民法の原則上、契約は口約束でも成立しますが、後の争いを避けるために、和解契約成立の証としての書面 として「示談書」を作成することが必要となります。

加害者側の一方的な責任となる事故の場合、「免責証書」と呼ばれますが、「示談書」と同じ内容の書面のことです。

保険会社との「示談書」

加害者の保険会社と被害者間での「示談」においては、保険会社から提示の「示談書」へサインすることとなります。
損害賠償、慰謝料、保険金の金額に納得が出来てから、「示談書」へサインをすれば問題はないでしょう。

当事者同士での示談の場合

事故の加害者が、任意保険に加入していないなど、保険会社が示談交渉の代行を行わない場合では、加害者と被害者の当事者同士で「示談書」を作成することとなります。

当事者同士で作成した「示談書」には、強制力がありませんから、後に加害者が賠償金を支払わない場合には、「示談書」を証拠として裁判を起こさなくてはなりません。
裁判となれば、手間も費用もかかります。

それを避けるため、「示談書」を「公正証書」としておき、「示談書」自体に強制力を持たせ、「示談書」の内容に違反された場合に、強制執行ができるようにしておきましょう。

公正証書とは

公証役場の公証人が「示談書」の内容を確認します。

この確認により、当事者個人間の私文書が、公の文書(公文書)として扱われるようになります。

その効果として、「示談書」に決められた債務が履行されない場合、民事訴訟による裁判を経ることなく、強制執行(国家権力の強制力により請求権の内容を実現させること)ができるようになります。

示談の効果

示談により取り決めた金額が賠償された場合、被害者は取り決めた金額以上の損害があったとしても、もはや、請求はできなくなります。

ただし、示談当時に予想できなかった不測の損害(例えば後遺症や再手術)が発生していたと裁判所が認定した場合は、例外的に「示談」以後に生じた損害への賠償が認められることがあります。

*判例では、示談成立後に後遺症が発生した場合、示談成立時に後遺症の分も含めて示談したことが明らかな場合を除いて後遺症の分を別途請求できるとしています。

ケガが完治すればよいですが、後遺症が残ってしまう心配がある場合には、示談交渉は慎重に進める必要があります。

入院中、または治療のために通院を続けている場合には、示談をするべきではありません。
必ず治療が完了した後、損害額が確定した後に「示談」はすべきものです。

示談書に必要となる記載事項机の上の万年筆

「示談書」を作成する場合、以下の項目は必ず記載してください。

  1. 事故発生日時、場所
  2. 加害者、被害者の氏名・住所
  3. 加害自動車の種類、自動車登録番号
  4. 事故状況(事故の態様、死亡傷害の区分、傷害部位など)
  5. 示談の内容(賠償金額、支払条件、支払方法など)
  6. 示談書の作成年月日
  7. 加害者、被害者の記名捺印

当事者が未成年の場合 「示談」というのは、法律行為となりますので親権者の同意が必要となります。
「示談書」には、当事者の名前に親権者の名前も連記します。

後遺障害への対応

将来、被害者に後遺障害が発生した場合に、当事者間で協議することができるよう、以下のような条項を、念のために明記しておくべきでしょう。

「本件事故の示談成立後においても、本件事故が原因となって将来、被害者に後遺障害が発生した場合には、当事者間で別途協議して決定する。」


「示談書」へサインをした場合、原則として、その後の内容の変更や取消しは出来ません。

時間をとって慎重に検討し、対応する必要があります。後に、トラブルとならないように致しましょう!


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休業損害 – 学生 その他の方

学生寮の看板

本来の収入がない学生の方、無職の方でも状況によっては「休業損害」が認められます。

学生の方

アルバイト休業損害

学生の方は、「学校に通って勉学に励む」のが本業ですよね。
そういった考え方から、基本的には、「学生の休業損害」は、特別に考慮されてはいません。

しかし、実際は、学費、生活費の不足部分を補う目的で、多くの学生の方がパートやアルバイトでの仕事をしているのが現状です。
アルバイトをしている学生の方の中には、休業してしまうと、学生としての生活ができなくなってしまう方もいるかと思います。

学生の方も、交通事故に遭って被害者となってしまっての休業に関しては、アルバイト先に、休業損害証明書を書いてもらい、収入の減額を証明して、休業損害が補償される可能性があります。

個人経営の飲食店などでは、休業損害証明書に書き方が解らないかもしれません。
被害者の方が、休業損害証明書の書き方についての知識を得ておく必要があるでしょう。

就職前の学生の場合

交通事故でケガをしてしまって、就職の時期が遅れて、その期間に得られたはずの収入が得られなかった場合、休業損害が認められる場合があります。

就職先が内定していた方

就職先で、現実に得られたであろう給与額を基礎収入額として算定されます。

就職先が内定していない方

賃金センサスの初任給で、学歴別の平均賃金を基礎収入額として算定されます。

  • 高校卒業生:18歳~19歳の平均値
  • 大学卒業生:20歳~24歳の平均値

無職の方の休業損害

交通事故の当時に、無職であった方の休業損害は、無職であり、働いていないのだから認めれれないのでしょうか・・・?

いいえ、一定の条件で休業損害が認められる可能性があります。

交通事故の発生時に就職先が決まっていた場合

認められる期間:就職予定日時から、稼働可能となった日まで
認められる額:就職予定先で得られるはずであった収入額

就職先が決まっていない場合

認められるか否かを決定する要素

  • 求職活動をしていたか否か
  • 客観的な雇用情勢
  • 本人の能力
  • 学歴
  • 職歴
  • 求めている職種
  • 実際に再就職が可能と考えられる時期
  • 以前に得ていた給与水準
  • 実際に再就職した場合の給与水準

上記の要素を考慮して、認められる可能性があります。

就職活動中であったり、就労開始の準備中であれば、認められる可能性が高くなります。


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休業損害 – 事業所得者の場合

事業所得者の休業損害計算法

自転車

休業損害の概略は、別ページ(休業損害とは)にて解説していますが、現実に収入減が認められたときには、事業所得者にも休業損害が認められます。

事業所得者とは、原則として白色申告・青色申告事業主のことを意味しています。

休業損害の計算方法は以下の式によります。

休業損害 =(事故前 1 年間の収入額-必要経費)÷ 365 日 × 寄与率 × 休業日数

以下に計算式にある「事故前1 年間の収入額 」「必要経費 」と「寄与率 」について、説明します。

収入額の立証資料

「事故前 1 年間の収入額」を証明には、以下の書類が必要となってきます。
(事業所得者の事情により、必要となる書類は異なってきます。)

  1. 確定申告書の控
  2. 確定申告書の控の添付書類
  3. 白色申告者の場合:収支内訳書の控
  4. 青色申告者の場合:所得税青色申告決算書の控
  5. 市町村長発行の住民課税証明書(1.の翌年度分のもの)
  6. 税務署長発行の納税証明書(事故の前年度分。1,と同じ年度のもの)
  7. 帳簿、領収書、取引先の支払証明など(1~4 の資料が提出できない場合、または補充的資料として)
  8. 職業証明書
自賠責保険では、税務署の受付印のある確定申告書の控、添付書類の控が必須となります。

立証資料の提出がない場合でも、取引先などの関係先に照会し、休業によって収入に減少を来すことが推定出来る場合は、定額の日額 5,700 円が認定されます。

必要経費とは

収入額は、売上額から、必要経費を差し引く訳ですが、必要経費とは、原価、経費などのことです。

この経費の中には、固定費は含まれません。 休業中も事業を維持、存続させるために支出しなければならない租税公課、損害保険料、減価償却費、地代、家賃など固定費部分の額は、売上額から差し引かずに計算します。

寄与率とは

事業所得には、事業主自身の働きによる利益だけでなく、事業者の家族や従業員の働きによる利益が含まれている場合があります。 これらの事業専従者が労働提供をして給与を受けている場合、その給与は経費であり、事業所得者本人の所得ではありません。

この場合、事案ごとに検討が必要になってきます。

休業している場合

被害者である事業主の寄与率は 100 %と考えられます。(休んでいますから、事業専従者の労務の提供もありません。)

事業者の休業中に営業が継続されている場合

青色申告の事業主

本人の所得額が明示されていますので、寄与率減額はされません。

白色申告等の事業主
  1. 年間正味所得が 200 万円以下の場合、寄与率減額はされません。
  2. 年間正味所得が 200 万円以上の場合、60 ~ 80 %を基準として事業主本人の寄与率が決められます。
    60 ~ 80 %は目安であり、実情に応じて適宜決めることとなります。
    寄与率控除の結果、正味所得金額が 200 万円を下回った場合、200 万円を収入額として休業損害日額を計算します。

事業所得者の休業損害の決定

一口に事業所得者といっても、職種や事業の規模など様々です。 一様に収入額の決定をすることは出来ません。

どの様な書類によって収入額を証明するかは、保険会社の支持によって書類を提出することとなると考えられますが、保険会社任せでは、定額の日額 5,700 円とされてしまう可能性が高いといえます。

被害者ご自身で積極的に収入額を計算し証明することをおすすめします。

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休業損害 – 給与所得者の場合

給与所得者の休業損害計算法

特別手当て
休業損害の概略は、別ページ(休業損害とは)にて解説していますが、現実に収入が減少した場合に休業損害が発生します。

給与が全額支払われていた場合には、休業損害を請求することはできません。

労災による休業損害の補償として、給与の60パーセントが支払われている場合、残りの40パーセントが、交通事故による休業損害の対象となります。

休業損害の計算方法は以下の式によります。

休業損害 = 1日当たりの基礎収入 × 休業日数

自賠責保険の支払基準では,1日当たりの基礎収入は、5,700円 が原則ですが、1日の収入額が5,700円 を超えることが認められた場合(ただし,19,000円が限度額)には、その額を1日当たりの金額とすることができます。

給与所得者の場合の、「1日当たりの基礎収入」「休業日数」の決定方法、その他問題となる項目について、以下に解説します。

基礎収入額の決め方

交通事故に遭う前、3ヶ月間に被害書となった方が受け取った給与の合計額を、90日で割った額を「1日当たりの基礎収入」の額とします。

給与は、本給 + 付加給 となりますの、残業手当、住宅手当なども含みます。
税金、社会保険料は、計算の際に控除しません。いわゆる税込額で計算します。

1日当たりの基礎収入 = 事故前3ヶ月の税込給与額 ÷ 90

休業日数の決め方

入院期間

入院した期間については、原則的にそのすべての期間を休業日数とすることができます。

通院期間

原則としては、事故によって稼働できずに休業した時から、症状固定(または完治)の時までの期間を休業期間とします。
症状固定の時以降、後遺障害によって仕事ができない状態であれば、逸失利益の問題となります。

休業が連続していれば、土曜、日曜など、事業所の稼働しない日も、休業の期間として計算します。

有給休暇を使って休んだ場合であっても、その日数を休業として計算します。

症状固定(完治)の前に、稼働が可能となった場合

稼働が可能となった日までの期間を休業日数とします。

半休などで通院した場合は、0.5日として計算します。

裁判では、稼働が可能となった日から症状固定の日までの間の休業損害を、70パーセント、50パーセントの割合で認めるものもあります。

休業損害の証明

給与所得者である、交通事故の被害者の方は、勤務先からの「休業損害証明書」によって証明します。

その他の項目

賞与が減額された場合

交通事故の被害による休業のため、賞与が減額された場合には、勤務先からの「賞与減額証明書」によって減額の損害を証明し、損害を請求できます。

ただし、休業した期間が賞与の支給期間であることが必要です。
また、勤務先の賞与規定の提出が必要となる場合や賞与の減額が、業績悪化でないことを証明する必要がある場合も考えられます。

交通事故を原因とする解雇

交通事故のケガを原因として解雇された場合

再就職も困難である場合には、退職から、症状固定(または完治)するまでの間の休業損害について認められると解されています。

しかし、保険会社への請求で簡単に認められるものではないでしょう。裁判という手段をとらざるを得ない項目かもしれません。

交通事故により自主的に退職した場合

退職以降の休業損害の請求は困難となる場合が多いでしょう。
自主退職と交通事故との因果関係を証明する事は、難しいと言えます。

会社役員の休業損害

会社役員の役員報酬は、労務対価部分と経営者として受けとる利益配当部分とがあります。

裁判所基準では、休業損害として、労務対価部分のみが認められます。

自賠責保険では、得に会社役員であることの考慮はありません。

保険会社は、会社役員の休業損害は、「支払わない!」を基本としているようです。
「役員だから」「社長だから」と強調する被害者の方がいらっしゃいますが、保険会社は、そういった主張ゆえに、休業損害を否定してくる可能性もあります。
余計な説明などは、しないほうが、早い解決をむかえる場合が多いといえます。

企業損害

会社の代表者、役員や従業員が交通事故の被害者となって、その為に会社の売上げが減少し、会社に経済的損害が生じた場合、この損害を企業損害と呼びます。

企業損害の加害者への請求は、交通事故の被害者である役員と会社が経済的同一性をなしている場合、会社が加害者に企業損害を請求出来るとの、最高裁判所の判例があります。(最判昭43・11・15 民集22・12・2614)

判例はあるものの、被害者と会社との経済的同一性を立証して、損害賠償を受けるには、かなりな努力が必要となることでしょう。

肩代わり損害

交通事故の被害者となった、会社の役員、従業員の治療費・入院費、交通費、休業損害を会社が一時的に立替払いした場合、会社は肩代わり損害として、加害者へ立替払いした金額を請求することができます。


一般的な 給与所得者の方の場合、勤務する会社からの「休業損害証明書」、源泉徴収票等により、休業損害の立証が可能です。

その他、複雑条件などが絡んだ場合は、別途、立証資料を準備する必要がでる場合もあります。


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休業損害 – 3つのケースと算定方法

交通事故の被害者となられた方、大きなケガを負ってしまったり、ケガ自体はひどくなくとも、仕事に支障をきたすこともあるでしょう。
交通事故が原因で、仕事ができなくなってしまった場合、すぐに収入に影響が出てしまうような職業の方もいらしゃるでしょう。
仕事ができなくなってしまった期間の収入は、「休業損害」として、基本的にには補償がされます。

ここでは、「休業損害」について、概観しています。

救急隊員、担架、けが人

休業損害とは

休業損害とは、交通事故によるケガの治療の期間に、被害者が休業するか、または、十分に仕事をすることが出来ずに、治療が終了するまで(症状固定まで)に受けることができなくなってしまった、収入、利益のことです。現実に、休業をし、収入が減少していれば、損害として請求することができます。

傷害事故の場合(後障害ない場合)

交通事故によって、ケガを負ってしまったときから、ケガが治癒して仕事に復帰できるようにまでの期間の休業について,「休業損害」を請求することができます。

後遺障害が残ってしまった場合

後遺障害が残ってしまった交通事故の場合,ケガを負ってしまったときから、症状固定の時までの期間の休業について,「休業損害」を請求することができます。

症状固定の後については,仕事に復帰することができなくとも「休業損害」は認められませ。
症状固定の後の収入や利益の減少に関しては、後遺障害の等級や被害者の年齢などによって決められる、「逸失利益」が損害賠償請求として認められます。

交通事故のケガにより死亡された場合

交通事故によるケガによって、死亡された場合は、ケガを負ってしまったときから、死亡のときまでの期間の休業について,「休業損害」を請求することができます。

死亡してしまった後については,後遺障害が残ってしまった場合と同様に、「逸失利益」が損害賠償請求として認められます。

交通事故による被害者の死亡が,即死であった場合は,「休業損害」は発生せず、「逸失利益」のみが損害賠償請求として認められます。

休業損害の算定

自賠責保険基準

自賠責保険の支払基準では,「休業損害」は,1日当たり、5,700円 が原則です。

休業損害 = 5,700円 × 休業日数

例外的として,1日の収入額が5,700円 を超えることが認められた場合(ただし,19,000円が限度額)、その額を1日当たりの金額とすることができます。

裁判所基準

裁判所での基準では,「休業損害」は,1日当たりの基礎収入に休業日数を乗じて算定します。

休業損害 = 1日当たりの基礎収入 × 休業日数

休業損害の算定方法の問題点

休業損害」の算定自体は,基礎収入(または、認められた金額)に、休業日数を乗じて算定するというように単純です。

しかし,被害者の方それぞれで、職業も職種も職務上の地位も違っています。
この基礎収入の金額をどのように選定するか,休業日数をどのように考えるべきかという2つの事項は、一律に解決できず、争いとなる場合があります。

この問題は、下記の類型に分けて考えると、理解しやすいでしょう。
(類型に関しては、それぞれ別ページにて解説しています。)


交通事故が原因のケガで、休業をしなければならなくなって、失ってしまうことになった収入・利益は、財産的な損害のうちの消極的損害(原因となった事故がなければ、当然に受け取っていたであろう利益を失ったことによる損害 )として、損害賠償の対象となる損害です。

きちんと請求し、仕事ができないことのよる生活への不安をなくし、ケガの治療に専念できる環境を作りましょう。


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損害賠償の時効

ひき逃げ

交通事故にかかわる時効

自賠責保険への被害者請求の時効

平成22年4月1日以降に発生した交通事故

  • 傷害による損害・・・事故日の翌日から起算して3年
  • 死亡による損害・・・死亡日の翌日から起算して3年
  • 後遺障害による損害・・・症状固定日の翌日から起算して3年

平成22年3月31日以前に発生した交通事故

  • 傷害による損害・・・事故日の翌日から起算して2年
  • 死亡による損害・・・死亡日の翌日から起算して2年
  • 後遺障害による損害・・・症状固定日の翌日から起算して2年

自賠責保険ですから、人身事故が対象です。
自賠責法の改正により(自賠責法19条)、平成22年4月1日以降は、時効期間がのびでいます。

自賠責保険への被害者請求の時効中断

以下の場合に時効が中断します。
時効が中断した場合、翌日から新たに時効期間が進行します。(改めて、時効期間の起算が始まります。)

  1. 仮渡金や保険金の支払いがあれば、支払日に時効は中断
  2. 被害者請求の結果の通知があった場合、通知日に時効は中断
  3. 「時効中断申請書」の提出

実際には、 被害者請求手続に時間がかかりそうな場合、被害者請求後の異議申立手続に時間がかかりそうな場合に、3、「時効中断申請書」の提出が必要となります。

自賠責保険会社に定型の「時効中断申請書」が準備されています。必要事項を記入して提出します。自賠責保険会社が申請書を受け取った日に時効は中断します。

民法の消滅時効

民法の規定

民法の規定への理解が、上記の自賠責の時効へも反映されています。民法の理解も押さえておきましょう。

民法724条

「不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から20年を経過したときも、同様とする。」

損害を知った時

被害者が損害の発生を現実に認識した時、車を運転中に事故に遭って損害を知った時が、消滅時効の起算点となります。

加害者を知った時

損害賠償請求をするべき相手方を知った時、事故発生場所において相手方の住所、氏名を確認した時が、消滅時効の起算点です。

債務承認(時効の中断)

加害者が、治療費、休業損害、慰謝料などを支払った場合は、民法上の債務承認と理解され(民法147条3号)、時効が中断されます。

後遺障害が残存した場合事故の後、数年が経過して、後遺障害が残ってしまったことが判明した場合の消滅時効の起算点

最高裁判所の判例により、「症状固定日が消滅時効の起算点」と解されています。

「後遺障害が顕在化した時が民法724条にいう損害を知った時」に当たる(最判昭49・9・26)

「症状固定の診断を受けた時には、本件後遺障害の存在を現実に認識し、加害者に対する賠償請求をすることが事実上可能な状況の下に、それが可能な程度に損害の発生を知ったものとというべきである」(最判平16・12・24)

刑事の 公訴時効

死亡事故の場合、自動車運転過失致死事件の法定刑は「 7 年以下の懲役叉は禁固」です。(刑法 211 条) 公訴時効期間は 5 年で(刑事訴訟法250条2項5号) 、 5 年を経過すると、逮捕も、裁判もできません。


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