外国人の方の交通事故

事故現場パニック

毎日、交通事故のニュースを目にしますね。特に、最近は「危険ハーブ」を使用しての運転による事故が多いですが、依然として飲酒による交通事故もありますね。

そんな報道の中、以下の記事を見つけました。

「2人死傷事故でタイ人を逮捕、無免許で酒気帯びの疑い」 News i – TBSの動画ニュースサイト

千葉県銚子市で、タイ人男女3人の乗った飲酒運転の車に高校生2人がはねられ、うち1人が死亡した事故です。
車を運転していたのは、51歳のタイ人男性で、無免許過失運転致死傷の疑いなどで逮捕されました。

この記事には、以下のブログにも書きました。

外国人の方の交通事故|行政書士 わたなべ法務事務所

この交通事故について、無免許で酒気帯びの運転者は、許されるものではありませんが、交通事故の業務を行う行政書士として、損害賠償の気になる部分を・・・

外国人の方が加害者となった

この交通事故が、そうですが、外国人に方が加害者となった場合、自動車保険の加入状況が気になります。

自賠責保険は、自動車の所有者の方が加入されているでしょう。今回の無免許運転でも、問題はないでしょう。また、仮に自賠責保険が、無くっても、政府補償事業により、被害者救済が図られます。

しかし、自賠責保険による補償では、上限が決められているので、それ以上の損害賠償が必要となった場合、任意保険への加入が・・・

ご自身で自動車を所有している外国人の方ならば、任意保険へも加入されているでしょうが、加害者の外国人の方の所有でない自動車での事故では、微妙になってきます。

さらに、加害者の外国人の方もケガを負っている場合も、人身傷害保険に加入されていないと、ご自身の治療費の負担も、ご自身で必要になってしまいます。

外国人の方が被害に遭われた

交通事故で、外国人の方が、被害者となった場合は、その補償は、日本人の方と変わりません。しっかりと、自賠責保険 + 任意保険 によっての補償が受けられます。

ただし、交通事故の被害者は、損害賠償の交渉は、加害者側の保険会社と行わなければなりません。

日本人であっても、保険会社との交渉は、うまくいくとは限りません。外国人の方は、日本語が堪能であっても、保険会社の説明を理解し、保険会社に自己の主張を伝えるのは、かなり大変な事なのではないでしょうか・・・

さらに、治療費や休業損害の請求など、保険会社に自己の主張を伝えるには、書面による説明が必須となります。どの様な、書面を作り、資料を準備するのかを理解するだけでも一苦労となるでしょう。

外国人の方で、交通事故の被害者となってしまった方は、是非、交通事故の専門家へ、ご相談をなさってください。

治療が、長くなるようなら、在留資格の問題もかかわってくる事も考えなくてはならないかもしれません。
当事務所の、イミグレーションサービスもご利用ください。

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自賠責保険とは

強制加入の保険です

自賠責保険とは、正式には「自動車損害賠償責任保険」といい、「交通事故の被害者が泣き寝入りすることなく、最低限の補償を受けられるように」という被害者救済のために、公道を走る自動車やバイク、原付すべてに加入が義務付けられており、国が「自動車損害賠償保障法」という法律で定めた保険制度です。

一般に「強制保険」とも呼ばれています。

未加入で走行した場合など、罰則が定められています

自動車損害賠償保障法では、

「自動車は、これについてこの法律で定める自動車損害賠償責任保険(以下「責任保険」という。)又は自動車損害賠償責任共済(以下「責任共済」という。)の契約が締結されているものでなければ、運行の用に供してはならない。」(第五条(責任保険又は責任共済の契約の締結強制))

と定められています。

自賠責保険、自賠責共済に未加入で走行した場合、

「一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」(第八十六条の三、1合)

と罰則も定められています。

また、

「自動車は、自動車損害賠償責任保険証明書(前条第二項の規定により変更についての記入を受けなければならないものにあつては、その記入を受けた自動車損害賠償責任保険証明書。次条において同じ。)を備え付けなければ、運行の用に供してはならない。」(第八条(自動車損害賠償責任保険証明書の備付))

とも定められており、自賠責の証明書を車両等に積まないで運行させた場合、

「三十万円以下の罰金に処する。」(第八十八条、1号)

と罰則も定められています。

車検のない250cc以下のバイクや原付は、注意が必要です!

乗用車などは、車検の際に、車検期間と同じ保険期間の自賠責保険に加入するよう、手続きがされます。

車検のない250cc以下のバイクや原付は、自賠責保険の期限が切れていることに気づかない場合が考えられます。

そのまま乗り続けてしまい、事故をうっかり起こしてしまうと、自賠責保険が使えないばかりか、罰則も課せられることとなります。

くれぐれも注意が必要です。


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交通事故では、健康保険が使えない・・・?!

日本は、皆保険の国。

我々は、健康保険を使って、医療費の3割を負担することで、治療を受けることができます。 (個人的には、とっても良い制度であると、思っています。)

これは、どんな方でも当然のことと認識していて、医者へ行く際には健康保険書を持参していくわけですが・・・ 交通事故で、治療を受けて「交通事故では健康保険が使えない」ということを言われ、高い医療費にビックリした、といったことを聞きます。

健康保険の使用は

法的には・・・?

ズバリ! 法律では、交通事故による治療に健康保険を使用することが認められています

「健康保険及び国民健康保険の自動車損害賠償責任保険等に対する求償事務の取扱いについて」という、旧厚生省の通達(昭和43.10.12保険発第106号)により、このことは明確に示されています。

この通達では、

「最近、自動車による保険事故については、保険給付(健康保険にによる医療給付等)が行われないとの誤解が被保険者等の一部にあるようであるが、いうまでもなく、自動車による保険事故も一般の保険事故と何ら変わりがなく、保険給付の対象となるものであるので、この点について誤解のないように住民、医療機関等に周知を図るとともに、保険者が被保険者に対して十分理解させるよう指導されたい。」

との内容が、全国市町村に発せられました。

45年前の通達ではありますが、その後にこれを修正するようなものがありませんので、現在においてもこの通達の通り、「交通事故による治療に健康保険を使用することが認められている」との理解で問題ないでしょう。

治療費が高額になってしまっては、任意保険に入っていない加害者や、無保険の加害者など賠償能力がない加害者から、被害者は賠償が受けられません。 こういったことを避け、十分な治療が受けられるようにするには、健康保険を利用した治療により、治療費を抑え、被害者救済を図ることが必要と考えられます。

この被害者救済の考え方は、憲法での生存権の保障に合致すると思われます。

裁判例では

大阪地裁昭和60年6月28日判決においては、

「国保法に基づく療養保険給付は、絶対的必要給付であって、同法が、国民健康保険事業の健全な運営を確保するとともに、偶発的、不可測的事故にあった国民が医療費等の調達のため経済生活の均衡が破れ、経済生活の向上と発展を阻害されることがないようにする為、共同貯蓄制度としての国民健康保険制度をその目的としていることに鑑みれば、交通事故により負傷・疾病した被保険者に対し、療養保険給付が行なわれなければならないことは当然であって、これを排斥すべき理由はない」

と判示して、交通事故による治療に国民健康保険から給付を受けることを認めています。 「交通事故は健康保険が使えない」は、都市伝説どころか、誤った認識です。

なぜ「交通事故は健康保険が使えない」と言われるのでしょうか・・・?

交通事故の被害者となる、つまり第三者によってケガをさせられた場合、加害者が治療費を賠償することになります。

自動車賠償責任保険(自賠責)への加入は義務付けられており、ほとんどの人がこれに加えて自動車保険(任意保険)にも契約しているので、交通事故の治療費は損害保険会社を通じて被害者に支払われ、健康保険を使わなくても被害者に実質的な負担が発生しないことも多くあります。

「保険会社が払うのだから、医療費の高い、自由診療で請求してもいいだろう」といった、判断がされるのでしょうか・・・

しかし、交通事故の損害賠償は、それぞれの過失割合に応じて補償されるので、被害者にも20%の過失があるようなときは、医療費が100万円かかったとすれば、相手方の損保会社から80万円の支払いがあり、残りの20万円は被害者自身の負担になります。

同じ100万円かかっても、健康保険を利用して、3割の30万円を支払った場合、80%の24万円が相手方の損保会社から支払われ、被害者自身の負担は6万円ですみます。

交通事故の治療では、健康保険を活用して被害者自身の負担を抑えることも考えるべき場合もあるでしょう。


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交通事故と自動車保険

交通事故の被害者は、加害者に対して、損害の賠償金を請求できます。

しかし,加害者に賠償金を支払えるだけの資力がない場合、被害者が実際には賠償金を受け取れないことになりかねません。

交通事故の損害賠償を確実なものとするのが、加入が強制される自動車保険自賠責保険と、自由意思で加入する任意保険です。

1.自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)

自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)は,自動車損害賠償保障法(自賠法)により加入を強制されている保険(強制保険)です。

交通事故の被害者を保護、救済する目的で,自動車を運転する人、自動車の所有者に自賠責保険または共済契約への加入を強制しています。

自賠責保険または責任共済に加入しないままで、自動車を運転すると行政罰と刑事罰の対象になります。

自賠責保険の特徴

  • 対象は人身損害に限られ、物損は対象になっていません。(自賠責保険の範囲
  • 事故の加害者のほか、被害者も直接保険会社に保険金の範囲内で損害賠償の請求ができます。(被害者請求
  • 損害額の算定は、国の支払い基準にしたがって算出されます。
  • 被害者に重大な過失があった場合でなければ、保険金額の減額はされません。 (過失相殺)
  • 仮渡金・内払い制度があり、被害者の経済的な負担を、保険金確定前でも支援します。

保険金の最高額

  • 事故により1名が死亡したとき : 死亡による損害=3,000万円、死亡にいたるまでの傷害による損害=120万円
  • 事故により1名が傷害を受けたとき : 傷害による損害=120万円
  • 事故により後遺障害が残ったとき : 後障害の程度により、75万円~4,000万円 (後遺障害等級表参照)

2.任意保険

自賠責保険と別に任意に保険会社と契約する保険で、対人賠償責任保険と対物賠償責任保険とがあります。

対人賠償責任保険は自賠責保険の上乗せ保険で、人身損害について自賠責保険の範囲を超える損害、自賠責保険の保険金額を超えた部分を対象とします。

被害者の死亡による損害が5,000万円のとき,自賠責保険により3,000万円が支払われ、残り2,000万円は加害者自身の負担となります。この不足を補うのが任意保険です。

3.政府保障事業

加害者が自賠責保険に未加入の場合、ひき逃げで加害者が不明の場合、盗難した自動車を運転していた者が事故を起こし保有者が責任を負わない場合、自賠責保険が適用になりません。

このような被害者を救済するため、自賠法71条以下に基づく政府保障事業が行われています。

被害者からの請求に応じて、自賠責保険の保険金と同額の限度内で政府が損害をカバーします。

被害者の損害賠償請求権は、政府が被害者に支払った金額の限度で政府に移転します。


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